都心部市街地に住む
下町からの撤退を考えていた人びとや企業の中にも、考え直すところがあらわれはじめた。
とくに、都心部市街地(下町)に住むという伝統のあった大都市、米国で言えばシカゴ、ワシントン、フィラデルフィアでは中産階級の人びとの都心へのUターンが10年ほど前からはっきりとした形となってあらわれています。
たとえばフィラデルフィアのダウンタウンの人口は15年前の3万8千人から10年後には4万4千人に増え、しかも所帯当たり所得は中位値で5600ドルから1万3300ドルに急上昇したといいます。
そしてこれだけの変化で、高級レストランが15年前の2軒から15軒にまで増えています。
こうした傾向はもともと昔から下町住まいの伝統をもつヨーロッパではより明確なものとなっています。
コペンハーゲンの最も古い下町クリスチャンハーベンは、いまでは芸術家、自由業、若者の最も人気のある町となっており、古い倉庫はデザイナーズ住宅に改造されています。
歩行者の町として知られているストロイエの一帯も郊外からのUターン組を受け入れるための中古住宅の改造が進められています。
郊外の庭つき一戸建住宅をという傾向はまだまだ続くであろうが、都心部に住みたいという人びとの数もまた確実に上昇しているのです。